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愛知県春日井市から印鑑の彫り替えの御依頼

先月末に愛知県春日井市のT様から普段お使いになられている認印の彫り直しの御相談を頂きました。

彫り直しは、業界用語で「改刻」と言います。ご使用の印鑑の印面を削って新たに文字を彫り込みます。

但し、技術あるなしではなく、各店舗の店主の考え方によって、改刻を受ける、請けないがあります。私もお客様が使われている印鑑以外は、印章供養をお勧めしております。

印鑑は、持ち主の意思を第三者に表明するものであり、捺印された書面に対して本人であっても否定できない程の強い効力を有する物です。ですので、印鑑は持ち主自身であって、持ち主が亡くなられたら一緒に火葬するか、各都道府県で行われている印章供養祭にお祓いして焼納することを勧めておりました。
(宮崎県印章業組合は、10月1日に宮崎八幡宮で印章供養を行っております)

ですが、お客様の中には、親が使っていた印鑑を受け継ぎたい、祖父祖母が大切に使ってきた印鑑を使いたいというお気持ちの場合は彫り直しをお請けしております。SDGsの観点では行ってはおりません。

T様は、ご自身がお使いになっている認印を私の作にしたいとのことで有難くお請けさせて頂きました。また材料は象牙とのことでした。象牙に勝る印材はないので、職人として有難い限りでした。

中輪の細字の作品例

≪改刻の流れ≫
1、お見積り
「印材(象牙・白牛角・黒牛角)」・「大きさ」・「入れる文字」をお知らせください。
2、草稿を書いて、デザインのご提案。(3案目から4,400円/案となります)
3、ご入金(宮崎銀行、ゆうちょ銀行へのお振込)
4、印材の発送して頂きます。
5、当店に印材が届いたら、加工業社へ送り加工。
6、加工された印材が戻りましたら、彫刻して仕上げる。
7、佐川急便にて発送(到着の時間指定が可能)

納期:ご入金を御注文確定とさせて頂き、そこから3週間ほど掛かります。仕事が混み合う時期は1ヶ月ほど掛かることも御座いますので、その都度、お知らせ致します。

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中輪の細字の作品例

今回、お作りさせて頂いたT様の認印の作風は、枠が中太で、文字が細い中輪の細字」で、若干の個性をいれたデザインにしました。印影は見せられないので、中輪の細字で作った印影をアップさせて頂きますm(__)m

≪中輪の細字≫
昭和40年頃迄、ほとんどの判子屋は職人が居る店でしたので、よく作られていた作風と聞いてます。この作風が消えはじめたのは昭和40年頃から…

今では一般的な印鑑となっている印相印(吉相印)が広がり、更にバブル期からはパソコンや、彫刻機の普及が進むにつれ職人が激減していき、今では職人が絶滅危惧種レベルとなっているのと、技量を持ち合わせていながらも仕事ではパソコンの文字を使う傾向があるので、珍しい作風となってきました。

3年ほど前は、私も9割9分が印相印でつくっていました。今でも半分は印相印です。ですが、私は、細い線が好きなのと、多くの方にこの様な作風もある事を知って頂けたらと思って、ブログや、Instagramで作品を紹介させて頂いてます。

私の作風が気に入って頂き、彫り替えたいと思いましたら、ご遠慮なくご相談くださいませ。 改刻料金は、材料の持ち込みであっても新品の料金とあまり開きが御座いませんので、ご了承くださいませ。

≪中輪の細字の作品≫

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