戈をとどめる(実印・銀行印)
8時だよ全印集合のお題を手掛けてみました。
印文:止戈
読み:しか、くわ
文意:止(あし)は進む意で、戈を執って進む意がある。
「倉頡(さうけつ)書を作り、止戈を武と爲す。」
倉頡:黄帝の臣。文字の制作者。
解説:聖人、武を以て暴を禁じ、乱を整(をさ)む。
今回は、「止戈」と画数の少ない2文字となり、どの様に空間処理をどうするかで、草稿(鉛筆で書いてる段階)で1時間以上悩んでいたと思います。今回は、印鑑の場合では基本的な入れ方と、伸びやかにアレンジしたデザインの2通り書いてみました。
基本的な形と言えども、昨今はこの様な印鑑は手間が掛かることと、パソコンの文字を使って、未完成の状態でお客様へお渡しする印鑑屋さんがかなり多くなっているので見掛けることがなくなってきています。
他に太い線で印面全体に文字を曲げて入れる印相印(吉相印)が、多いというのもあります。私も数年前まで主にしてました。
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今回も象牙で仕上げました。
大きさは、4分5厘丸(約13.5mm丸)です。
象牙は、ほどよい硬さがあるので仕上げ刀で線を切っていくと、冴えた良い線質になります。黒水牛や、オランダ水牛(白牛角)は、毛が固まった物なので、毛羽立つことで象牙の様な線質は出難くなります。
今回は、伸びやかにした篆書体で私のアレンジが入りましたので、チョッと奇抜なデザインになりました。今、思うのは、止の下部の折り返したあとの曲線はもっと緩やかな曲線を描く方が良かったように思えます。重心を上げることと長脚を狙ったことで、折り返した後に上にあげてから下げたことが、窮屈な空間を生み出してしまいました。こうなると型破りでなく、型崩れだな。
基本的な入れ方にしても止の下部は、折り曲げる方がいいように思えますが、曲げた後の曲線をどの様な形にするか悩ましいとこもあります。今後も8時だよ全印集合のお題をつくりながら印鑑の美を探求していきたいと思います。
福岡の上津原さんの息子さんが、今後、作品をアップすると思うので、どの様に文字を書き、空間をどう処理するか楽しみです。