朱肉の発色の違いと、滲み具合
今朝の宮日新聞に名前が載っていませんでした。
落選です(笑)
ほほ~、そうですか~(-。-)y-゜゜゜(某不動産の真似)
今回の篆刻の部は、角井門下で占める結果となってました。
さて、今回の作品はお蔵入りさせる訳にはいかないので、そのまま来年の読売書道展に出してみますかな。
今回は朱肉の色合いの違いなどをご紹介したいと思います。
朱肉は大まかに3つに区分けしてみます。
1、中国で作られている印泥(西冷印社など)
2、日本で作られている練り朱肉
3、モルト朱肉
1は、顔料、ひまし油、モグサなどを練り込んで作ったもの
2は、顔料、蝋、ひまし油を煮込んで、モグサ、パンヤ、和紙などを練り込んだもの
3は、スポンジにインクを染みこませたもの
篆刻や、作品で使われるのは印泥です。日本で作られている練り朱肉は作品に使うものとして良い物がないのが残念です。
今回、朱肉の発色の違いをお見せします。
画像の左から私が2種類の印泥を練り込んだオリジナルの印泥、シャチハタ社製の鯱旗印肉(公用)、シャチハタ社製の朱肉、新朝日社製スパーエースの4つを比較してみました。
印泥の色は様々ありますが、私は小さな印になるほど赤味がある方が発色が良くていいと考えております。これが60mm、75mmの印となれば少し暗めな赤の方が重厚感があってよいと思いますので、小さな印は赤味がある色にしてます。
並べて捺印すると断然、印泥の赤味がある方に軍配があがります。
一般的に使われているモルト朱肉だけの比較をすると…
発色の良さは、スーパーエースに軍配が、滲みが少ないのはシャチハタ朱肉に軍配が上がり一長一短あります。
但し、ここで注意!
色的にはスーパーエースがいいですが、このスーパーエースは、シャチハタの黒いスタンプ台で住所判(ゴム印)を捺印した上に重ねて捺印すると文字が判読できないほど滲んでしまいます。 シャチハタとの相性の問題かもしれませんが、当店はシャチハタのスタンプ台を使用している為、不向きとなります。
色んな状況を考えるとシャチハタ朱肉を勧めます。
更に印泥の比較。
色はシャチハタさんの鯱旗朱肉(公用)の色は満足してますが、問題は油分の多さによる滲みの酷さが頂けません。今回、捺印した朱肉の中で一番滲んでました。
まず第一に滲んでしまうと文字が太くなり、場所によっては線と線がくっ付いたようになる。
矢印で示している点の空間潰れてしまいます。小さな文字になれば、滲みによって文字が潰れます。
この事でシャチハタの営業マンに話すと、困った顔で「そんな事を言うのは相馬さんだけですよ」って言われました。 やっぱり判子屋さんで滲みまで気にしている人が少ないんですかね…。
大手メーカーが出した商品に対して疑問も抱かないで販売する。 こんな事では消費者の方が間違った認識をされるのも当然。 まだ朱肉で問題になる事はないが、判子屋の認識不足で認印の危険性などをお客様へまったく伝えきれていないからお客様が大変な目に遭うことなるなど、一つの姿勢が色んな事に通じる。
そこで使い物にならないシャチハタの公用朱肉に手を加えてみることに!
この朱肉が発売当初は油分の調整を知らなかったので油分が多くて使えたもんじゃないと捨てていたので、今回、試験的にやってみるので1個仕入れてみました。
次はモグサの仕入れ!
いまむら鍼灸院に自転車を走らせて せんねん灸のモグサをゴッソリ頂いてきました。
(今村さん、いつもありがとう御座います。m(__)m)
モグサをひと掴み入れてヘラで練っていきます。
練っていくと多かった油分がモグサに吸収され表面の油のテカりが落ち着いてきます。
全体が混ざり合ったら捺印
捺印してみると当初の印影よりもかなり綺麗な印影が取れました。
ロール紙に捺すにはまだまだ油分が多いので油分を抑えたいのですが、用途はコピー用紙なので油分を取り過ぎると印影がカスれて写り悪くなるので、調合をこのくらいで抑えました。
なぜ、こんなベチャベチャした朱肉を作って売るのか、一度、シャチハタの開発の方と話がしたいものだ。 このシャチハタは顔料と蝋を練った物ではなく、インクを繊維状の何かに混ぜているような…。 断言は出来ませんが、何か違うような…。
結論として練り朱肉の方が色合いもいいので契約時などはオススメします。
また使い易くいい物を調べていますので、いい練り朱肉が見つかりましたら、ご紹介させて頂きます。