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篆刻に使う石の選別ポイント

篆刻で定番の印材は青田石、寿山石です。
ですが、これら定番とされている石でいい印材は皆無となってます。

20年前までは、いい物が安くで入手できてましたが、今では値段も跳ね上がり、あまりお勧め出来ない印材ばかりとなったような気もします。

避けるべき石

最近、売られている青田石(せいでんせき)は、上の画像の物が多い。

このまだら模様になっている部分は、色んな成分が混ざっているので硬さが均一でなく彫りづらい。彫りづらいならまだいいが、ケイ素が入っていることが多く彫れない事が多い。

とは言え、全て薄緑色の綺麗ない青田石なんて出回ることはあり得ない。見つけたら迷わず購入。

よい石の色合い

石をひっくり返すとまだら模様がなく薄緑色で統一されています。
それでもよく見ると若干、グレーがかった部分が数か所点在しますが、この様な薄緑色一色の石を使うことをお勧めします。

ただし、上の画像の石は、亀裂が入っているので、使わない方がいい石です。

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石の硬さが不均一だと

今回、薄緑色の面で刻してみましたが、それでもケイ素(ガラス)が3か所あり、彫れないので金槌で印刀を叩いて砕きました。

また、硬さが不均一なので以下の点が出ました。

・変な欠けがでる。
思わぬとこで表面だけが丸く欠ける。
・一気に印刀をひくことが出来ない。
直線を引こうとすると途中で印刀が止まる。
・文字の線がぶれた弱い線質になる。
勢いよく真っ直ぐ引いたつもりが、波打っている部分が多かった。

石の亀裂

亀裂の部分は柔らかく、線と同じ方向ならまだいいが、文字を跨ぐように亀裂が入っていたら変な欠けが出来る。最悪、石が二つに割れる。

今回は、亀裂によって欠けた部分を利用して周りを更に欠けさせてリカバリーしました。

刻してみて

今回、武陵桃源と入れて刻しました。
源は、ほんらい原ですが、辞書に6種類ほど源があったので“源”を採用しました。1、2種類の掲載だと誤字の可能性が高いので採用しません。

“陵”の文字の部分にケイ素が2か所あり、印刀をタガネのように金槌で叩いて砕いた際に周囲をかなり粉砕しました。この文字に合うように他の3文字も同じ風合いで刻す必要が出てきました。上手く修正できればいいですが、ダメな時は石ごと没にします。

印刀の刃先は、ボロボロになるので150番 → 600番 → 1,000番 → 3,000番と、2回研ぎ直しました。良い石だとこんなことは起きません。

刻している動画

こんな感じで刻しています。
刀が一気に引けず、数センチごとに硬いとこに当たって止まります。ズバッと引かないと線質が落ちる…orz
https://www.instagram.com/tv/CSWvaHzBqLS/?utm_source=ig_web_copy_link

石の選別ポイント

青田石に関しては以下の点を注意されて購入されると良いかと思います。

1、亀裂が入っていないか
2、色が均一になっているか

切れ味がでる石は、青田石、寿山石です。
購入する際は、使えそうな面がないか確認しながら選ばれるといいと思いますが、ほとんど妥協しないといけない物なので覚悟して購入して下さい。

ラオス石というのもある様なので、一度、試してみたいと思います。

コメント

  1. 上野 より:

    近くに専門店がないのでネット購入ばかりです。
    石のことはあまり分からないので色々求めましたが、半分くらいはボツですね。たまに佳材?に出会うと刻る音も良く、少し上手くなった気がしますが稀なことで、いつもいつもブツブツ言って刻っています。

    • 店主 より:

      たまに大阪で時間がある時に書遊という大型の書道店に行きますが、いい青田石はないのですね…
      ヤフオクで彫っている印材を購入して印面を潰して使うという手も御座います。
      それでも当たりハズレはあると思いますが、確認して購入とメリットはあります^^

      >ブツブツ言って刻っています。
      私もです。
      あ~、やってらんね~!って、言いながら刻してます^^;

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