実用品として大切なこと
3年前に買ったソニーのアクションカムが半年に1回充電するだけでほどんど使っていなかったので3脚に固定して仕上げしているところを撮影してみました。
上の画像は、印稿を書いて、機械で粗彫りさせた状態です。(パソコンの文字ではありません)
この状態から、彫りカスだけ取ることを仕上げと思っている判子屋さんが居るのにビックリです。仕上げはカス取りではないですよ。
1万程度か、それ以下の角印はまともな仕上げもされず渡されてる場合がほとんどではないかな?
印鑑の縁を太くして、文字を細くする事でコントラストを出して文字を引き立たせる一つの印の描き方です。基本中の基本ですが、出来る人が少なくなっているのも現実です。
(文字の一部を消してます。)
仕上げるとこの様な太さになります。
仕上げは太さの調節もですが、文字の転折の部分を綺麗に表現させたり、線と線の交差しているところ墨溜まりの様にならないようにきち削るのが仕上げとなります。
(文字の一部を消してます。)
捺印するとこのように枠が太く、文字が細いので文字がハッキリします。
パソコンの文字ではない味わいもあります。
ちなみにパソコンで作ると下の画像のようになります。
どうもパソコンの文字で作った印で捺してあると、そこには信用信頼の重みがなく、事務的で安易さを感じオママ事の延長でしかないように思えてなりません。
かと言って、私は印鑑を芸術品として作っているわけでもなく、実用品の印として作っております。
実用品としての重要な点は、簡単に複製がつくられない安全性、各お店の技能者の文字を使うのが第一条件です。 また印は、その人、会社、団体の信用となるものです。それには最低限の気品、耐久性が必要です。
私が作っている印は実用品ですので、展覧会に出品する作品と比べたら美を追及していく余地があります。 但し、納期、予算等が御座いますので、その中で私の持っている技術を注ぎ込んで作っております。
≪角印(手書き、機械で粗彫り、手仕上げの工程の場合)≫
柘植(つげ):耐久性に若干難あり。朱肉という油を吸い込むことで弱くなる。
古印体 32,400円~
篆書体 37,800円~
黒水牛:粘りがあり、朱肉を吸い込んでも弱くなりにくい。
古印体 48,600円~
篆書体 54,000円~
象牙(並):耐久性に富み、朱ののりが良い。何よりも気品に満ち、印材として最高の素材。
古印体 97,200円~
篆書体 108,000円~