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作品を同じように作る方法(摸刻)

書、篆刻、絵画でもそうですが、良い作品を真似することで多くの技術を習得できます。一番の習得は、観察力でしょうか。

書にしても篆刻にしても印鑑を作るうえだけでなく多くの事に観察力が必要となります。その習得する練習として模写、摸刻が凄くいい練習となります。

但し、習字のように手本だけとなると、いくらある程度のとこまで上達しても私のように手本がないと書けないとなるので模写と、活字から字典を調べてつくる創作も必要です。

印面は真っ平のように見えて真っ平ではないので、印面を平らにします。サンドペーパーで面擦りすれば上下左右に傾きが出たり、四隅だけが削れて真ったらになりませんので注意点は…

1、印材に対して垂直に力を加えること
2、数回削ったら印材を回転させながら削っていく

≪注意点≫
初心者は、必ず削る前に印面に墨打ちして2、3回削ったら印面を確認して、何処が削れて、何処が削れてないかを確認し考えながら削る作業を行って下さい。面倒と思って行わなかったら、その時点で技術の向上はないと思って下さい。

印面が平らになったら、朱墨を打ちます。
指に朱墨を打つのが一般的ですが、指を拭く手間をなくすためコルクを使ってます。

墨打ちは、印面に対して垂直に墨を打つのではなく、印面に当てたら少し横に墨を伸ばすように打ちます。

≪注意点≫
・濃淡がでないこと
・朱墨を厚く塗り過ぎないこと

朱墨を打ったら、毛ばりで印面に罫線を引き、下書きを行います。
シャープペンでも構いません。細かい文字になると0.3mmのシャープペンでも線が太く書き辛くなるので、毛ばり慣れておいた方が私は良いかと思ってます。

毛ばりは、売ってないので自作となります。
ダイソーなどでキリを買って来て金属の部分を5~6cmほど残す形で切断します。切断後、先端を尖らすようにダイヤモンド砥石で削り、先端をペンチ掴んで先端3~5mmほどを曲げるか、ハンマーで叩いて曲げます。

先端が少し曲がったら、尖った先端を砥石で刺さらないほどに先端を削って出来上がります。

≪注意点≫
先端が尖り過ぎたら印面を傷つけるので、傷つかない程度に先を落とします。

手本となっている印影に縦横それぞれ4等分になる線を引きます。
私は、イラストレーターを使ったので、5本線を並べて均等割付を行ってます。

≪注意点≫
この割付線は、非常に重要になります。
但し、この方法は初心者向けです。ある程度、力量が付いたら罫線を引かずに模写することで更に観察力が付きます。

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印面にも同じく割付線を引きます。
引いたら、手本の印影を観て左右反転させて書いていきます。

古なら
縦画は、割付線よりほんの少し右なので、印面の割付線の少し左に縦線を書きます。上部の横画は、横の割付線より目測2mm程と考えて、同じように印面の横の割付線より2mm下あたりに線を引きます。

この様に割付線を基軸として左右反転させて書いていきます。

修正する場合は、かなり薄い朱墨を塗れ消えるので、書いたり消したりして修正していきます。

この下書きを終えたら、うす墨で書いていきます。

≪注意点≫
墨打ちの墨以外は、薄い墨をつかうこと。

朱墨:色合いは黄口、粒子が細かい墨。5千円以上なら問題ないかと
墨:膠の量が多い物。墨運堂の玉品を推奨。
筆:写巻小楷の中でも宝研堂監修がお勧め。

コメント

  1. 上野 より:

    紙に機械油をたらすと、透き通って裏からよく見えます。
    少し汚れますが、転写ができないのでいつもこの方法です。

    • 店主 より:

      上野様
      転写でしたら、コンビニのレーザーコピー機でコピーした物で転写できます。
      溶剤は、量販店でも購入できるアセトンを使います。

      1、印稿を印材のサイズに拡大縮小してコンビニなどで白黒でコピーします。
      2、コピー面を印面に当ててマスキングテープで固定。
      3、アセトンをティッシュに含ませてコピー用紙に含ませるように当てます。
      3は、ダイソーなどで注射器かスポイドを購入されて直接数滴コピー用紙に垂らすのでもOKです。
      4、印面からコピー用紙を少しづつ剥がしながら転写されてなかったらもう一度アセトンを付けて軽く指で押して転写させます。

      • 上野 より:

        ありがとうございます、難しい摹刻の時は写すのにかなりの時間を要していたのでやってみます。

    • 店主 より:

      来週あたりに転写の仕方もブログでアップします^^

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