役目を終えた不要な印鑑を宮崎八幡宮にて供養を行いました
1873年10月1日、明治6年に法令で「実印のない証明書は、裁判で証拠として認めない」と、明文化された日となります。
それまで取引の際は、庄屋さんとこにある印鑑帳に印影を届けて、取引の際に印影が確認できるようにしていた事が慣例となっていたそうです。
また、法令が制定する前に“爪印(拇印)”、“花押”を禁止して、2年後に実印を使うようにと法令で定めたそうです。
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■太政官布告第239号
人民相互ノ諸証面二爪印或ハ花押等ヲ相用候者間々有之候処、当明治六年十月一日以後ノ証書ニハ必ズ実印ヲ用ユ可シ、若シ実印之無証書ハ裁判上証拠二相立候条、此旨可相心得事
但商法上ノ証書ニ商用印ヲ用イ、請取通帳等ニ店判を用ヒ候ハ別段ノ事
これにより、民間で契約上の裁判で実印のない証文は証拠としないとなりました。この時代は、完全なる職人の手による文字で彫られた印鑑なので、形が異なり大きな役割を果たしていたと思われます。
現在の法令は、機械が存在しない時のままなので、大事な印鑑をつくる上で縛りがない事でいい加減な印鑑が出回っていることで、このままでは印鑑が書類の装飾でしかなくなり本来の意味をなさない物となっていくのも遠くはないように感じます。
それを強く思うことは先日もあった…
先日、国の機関から送られてきた書類に捺印されていた印影が、パソコンの文字で彫られ、仕上げもされていない角印だった。
ネットなら2、3千円で購入できる角印で「国の機関であっても この程度か…」と、残念でしかたなかった。
とは言え、1万円、2万円の角印でも同等の物は山ほどある。
印鑑は、値段で良し悪しの判断はできません。
そんな中、名古屋の税務署だったと思うが角印を発注する際は「手書きの文字」が大前提となって発注すると受注を受けた印章店さん聞きました。印鑑において“手書きの文字”の重要性をしっかり伝えている組織もあります。
こういうパソコンの文字を禁止する組織は珍しい。
今の契約のシステムは、色々と安全性、利便性を考え日本独自に花押、拇印、印鑑へと変化発展してきた。それを考えると利便性の面だけでは電子契約が優れている。
だが、デジタルとなるとハッキングの脅威があり、一度に多くの人が損害を被ることなど危険性が高い。なので電子契約とういうのは、いつでも何処からでも侵入して改ざんされたり、流出する危険性をはらんでいるのが問題だと思う。
今後、技術が進歩していき安全が担保されれば判子に取って代わるでしょう。
安全なものとして確立できたら、私は社会全体を考えたら印章廃止も仕方ないと受け入れる。
それにしてもこれ程、酷い印鑑が出回っていて大きな問題が出てこないものだと思う。ただ、メディアに取り上げられてないだけだろうか?
ここまで酷い状態だから問題はあると思うが、デジタルによる情報流失のような大きな問題は起こらないなら、契約のシステムとして良い道具ということではないかとも思う。
宮崎では昭和45年から毎年、10月1日にお客様からお預かりしていた役目を終えた印鑑を宮崎八幡宮に持参して供養しております。
≪供養する印鑑≫
・役目を終えた印鑑
・持ち主が亡くなられた印鑑
・商売を閉じて不要になった印鑑
拝殿で供養の神事を行った後、本殿の西側にある印章供養塚に移り玉串奉奠。
最後は、しめ縄を張った中央に御焚き台を据えて祝詞をあげて頂きながら焼納しました。
今年も宮日新聞の記者さんが取材に来て頂き、最後は記念撮影までして頂きました。
47の私が一番若い存在です(笑)
最後の1人となっても続けていきます。