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トリプルの悲劇

短冊、半紙に使う落款印

約10mm角に「麻」と入れてます。
字入れをするのは3度目です。 予定では台風が通過するまでには出来ているはずなんですが…

1本目は…柔らか印材を使っていたので力加減を誤って印面を粉砕…orz

2本目は…青田石の特有の亀裂があり枠の部分を大きくをボロッと剥げるように…落ちていく…orz

1本目はともかく、2本目は印材を投げたくなります。

そんなこんなで3本目。

3回目となると字入れもアッと言う間に書き上げます。
3度目は手に持たず、印床に挟んで慎重に刻していく事に!
慎重と言って突っつくようにでなく刀勢が出るようにガリガリガリ…と刻していきますが、カツン!と刃が止るとこが…

青田石は硬さが一定でなく固い分が混ざっている事があります。
最悪なのは石英が混ざってることです。
これに出くわすと大変です…

固い部分が全て石英と言うわけでもなく、不純物なので砕くことも出来る部分も多い。
一旦、刀を持ち上げ固い部分に刃の角を当てて粉砕してやる!って、力を入れたら…

落款印が砕ける

見事に粉砕してしまう…唖然…(;゚Д゚)

3本目までもが…

こんな事は初めてです。
こんな小さい石で固い部分で苦労することすら初めて…orz
いつもなら30分ほどでサクサクと刻して、はい出来上がり!ってなるのに…

終わった事は仕方がない!
再度、刻すまで!

と、いう事で再度印材づくり。
これが一番面倒な作業なんですよ

まずは、印材を360番のサンドペーパーで全面を削ります。
白い粉が出ますが、これを吸いこんだら体に悪いと思いながらもひたすら削る…

サンドペーパーで印材を綺麗に磨ぐ

印材の蝋がとれて凹凸が無くなったら、800番のサンドペーパーに替えて磨きます。
角が直角になっているので角を丸く加工。

表面が綺麗になってきたら、最後は1000番のサンドペーパーで磨き上げて細かい擦り傷をなくしていきます。

ワックスを掛けて光沢を出す。

最後の仕上げにワックスを塗って輝きを出します。
これで要約、印材の準備が完了。今回は4本目に加え5本目も磨き上げました。
この作業が結構たいへんなんです。研磨するバフがあるのでバフが上手く使えるように練習してみるかな。
次も割れたら、すぐ5本目に着手できるように2本準備しました!

磨いた物と、磨かない物の違い

上の画像は、左が購入してそのままの青田石、右が磨き上げた青田石。
表面の蝋は凸凹で、蝋を取り除いても印材に凹凸があるので磨き上げます。これが結構たいへんな作業なんです。細かい粉が出るので体にも良くないと思います。

篆刻で使う石は中国でしか採れず、中国で加工されるので処理の仕方がお粗末すぎて困ります。また最近の石は不純物が多く混ざった物しかなく悩みの種です。

宮崎県宮崎市の落款印、篆刻

出来上がった青田石を印床にクランプして再度、字入れとなりました。
本日、刻し上げて発送したいと思います。

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