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色紙に一文字(2)

色紙に誠を草書で書いて貰いたいと御依頼を受けてました。
昨日、定休日だったので清書を書くことにしてました。
はじめに清書の前に20枚ほど書いて取り掛かりました。
最初の段階で色紙を予備を考えて2袋10枚購入してました。
ですが、この10枚は墨の調整で使い果たすことに・・・。

色紙に書くのは初めてです。
色紙は墨を吸うと聞いていたので宗玄の中濃墨と、同じく宗玄の墨で磨って濃くしてましたが、後半まで墨がもたない。 墨が薄れるころにゆっくり書くとその辺りはいいが最後が完全に駄目。
そこで、登場するのが同じく宗玄の超濃墨。
久々の登場です。
これを7、8滴加え混ぜると粘り気がでてきます。
この粘り気があると墨の落ちる速度が遅くなるので一気に墨が吸い取られる事はないだろうと踏んでやってみました。ただ同じ速さで書くとカスレが多く出るので、少し遅めて書いてみるといい感じでした。
活筆を効かせたい部分は筆を早く走らせればカスレが出ますし、最後まで墨がもちます。
更に5枚買ってきて書き上げました。
慣れてる人ならそんな調整はいらない!と、言われるかもしれませんが自分なりに試行錯誤してみました。

最後は落款印です。
落款印は通常左下に捺しますが、作風によって位置は様々だと思います。
今回は色紙でどこの位置が適当なのか悩みます。
そこで紙に捺した落款印を作品の上に置いて位置をずらしながら探します。
決まったとこでスプーンで色紙の表面を平にならし、印矩(いんく)を置いてそれに印を沿わせて捺印し完成。
書をされる方であまり気にされていない方が多いのですが、捺印する部分はスプーン等で平らにして捺さないと紙はたいてい凹凸があるので綺麗な印影が出ません。また印泥も油でキラキラ光ってる物で捺すと印影の線がクッキリと出ずボテッとした感じになります。