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危険な卒業記念印


各地で卒業式が行われ、その際に記念品として印鑑を貰う事が通例となってるとこが多いと思います。 高鍋の2つの中学校でも配っております。
高鍋の卒業印は当店が納めております。

この納めた印鑑は、まず先生方が進学先に提出する書類つかわれます。その後、記念品として印鑑を渡してます。渡すことで日本社会は印鑑が必要で、これから先、色んな場面で印鑑を使っていくという事を認識させようとしている一環でもあるのでしょう。

ですが、渡してる印鑑がどれほど危険な物かを先生方も認識しいないと思います。危険と認識してたら使用後に破棄するはずですし、渡す際にこの印鑑は危険な印鑑だから使うなと言うはずです。

寸分たがわず同じ物が存在する危険な印鑑

卒業記念の印鑑は、パソコンの文字を使って彫刻機でつくりますので、高性能な3Dプリンターなど使わずとも複製は容易に作れます。

同じ印鑑が“作れる”、“存在する”危険性はなにか?
契約後に同じ印鑑で訂正印を捺されてしまう可能性を生むことです。 捺されてしまうと、捺してないということを立証することが困難なので泣き寝入りせざる負えなくなります。実印ではないから大丈夫と思ったら大間違い。法律上では、印鑑の効力は以下の様になってます。

認印 = 実印 = 銀行印

実印、銀行印、100円の認印と、どれを捺しても責任は等しく掛かり、契約は実印でなくても成立します。

基本的に認印を捺すことが、書面に対しての承認、意思の担保(確認)。

どんな印鑑であれ捺印することが契約

保護者の承諾もなしに使う行為

先生方は、印鑑の危険性、重要性をほとんど教えることもなく、危険な物を渡されてるという認識がないまま笑顔で記念品を渡してます。受け取る子供達が、教育の機会をみすみす逃していくことを考えると可愛そうでならない。

とは言え、先生方は進学先に提出する書類に捺印しないといけない。
ではどうすればいいのか?

ゴム印で作って朱肉で捺せばいいのです。使用後は処分。
そうすれば、更に安価な物になりますし無駄な税金も発生しません。

もっと踏み込めば、親の承諾もなしに捺印している事が多い。こういう捺印こそ廃止するべきではないかと思います。
現行なら、親の承諾もない状態で捺印したとなれば大きな問題です。

社会に出て大切なことが教育されない現状

更に疑問なのが、生徒が高校に提出する書類に先生が捺印する行為。
保護者の了承を取って捺すなら全く問題ありません。これが、了承されずに捺印しているとしたら犯罪行為です。

また了承されていたとしても、重要な書類には捺印して意思の担保(確認)をしっかりさせて提出するという教育が、教育の現場で等閑にされていること。
契約、意思の担保というのは、社会に出ると大切なことなのに教育されてない状態を生み出してます。

また先生方だけを責めるのも無理があります。
家庭でも詳しく教えられてない現状があります。
伝えたとしても「保証人になるな」「印鑑は大切なもの」程度。
“大切な物”と言っても余りにも漠然として分からないと思いませんか?
知識が乏しい状態だと負の連鎖も引き起こしてしまう。

これをどうにかしたいと思い、お客様に必ず捺印のこと、捨て印の怖さ、安易に人に貸さない事など説明しております。

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