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手彫りゴム印(手形印)

先日、埼玉県のアサヒ金属工業株式会社様から手彫りの手形印を御注文頂きました。 厳しい社会情勢のなかでも奮起する意味でも手彫りのゴム印を作りたいとの事でした。
通常、ゴム印はパソコンでレイアウトして凹版を作り、プレス機で生ゴムをプレスして作るのですが、手彫りは以下の工程が必要になってきます。
手書きの版下
まず、雁皮紙という薄い紙に筆で書きます。
一旦書きましたが、名前の文字が納得いかず鉛筆で幾つか書いてます。
しっくり合う文字が出来たら筆で書上げて版下が出来上がりました。
手彫りゴム印
雁皮紙に書いた物を赤ゴムに転写します。
転写したものが上の画像です。
ゴム印彫刻
まずは、文字の周囲をゴム印用の印刀で彫っていきます。
ゴムは補刀が利かないので一刀で決めていきます。

手彫りの手形印
全ての文字の周りを彫ったら、余白の部分をピンセットで引上げながら切り離していきます。
この作業を“さらい”、“底さらい”と言います。
手彫りゴム印
この様な感じで余白の部分を取り除いていき彫り上げます。
その後、大きさに合った台木を作り、台木にゴムを貼り付けます。
クロガキの台木
ゴム印を貼り付ける台木は、綾の木工細工をされてる方の所へ行って相談したらクロガキって材料を譲って頂きました。
クロガキは、極めて希少な木材で、工芸品や床柱に使われたりする木材です。
切断面をバフ掛けしただけで光沢がでます。
更にニスを塗って仕上げました。
職人の高齢化と機械化で、ゴム印彫刻する職人も減ってきたと父は呟きます。
少しづつでもゴム印彫刻も始めたいと思います。