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象牙の話

今日は久しぶりに印鑑の話です。
はい、気まぐれに書いてます。w
今日は象牙の話しです。
象牙は10年前から取引に規制が掛かり更に希少価値が出てきてます。 ですが、輸出国では象が多くなり過ぎてる問題も抱えてきてるみたいです。
鯨と同じ現象です。
■ 象牙の質
象牙にも何種類かあって、やはり質の良し悪しがあります。
大まかに『ソフト』、『ハード』の2種類があります。
○ ソフト ・・・ 草原に生息する象の牙。
○ ハード ・・・ 密林に生息する象の牙。
ハードの方が木に接触する事から堅めの材質となってます。
また、希少価値が高く、ツヤもあってソフトより綺麗です。

■ 材質
象牙も輪切りにすると、木輪の様に目が有ります。
中央に行くほど細かく、外に行くほど粗くなります。
なので取る部分で印材の良し悪しがでます。
中央部 上上>上>中>並>皮付 外側
皮付は、外側の部分が含まれてるので通常使用しませんが、安売りするとこは使ってるかも。
自分のとこは象牙が印材の中で一番いい材料なので、『並』『上』『上上』『特上』の4種類設けてます。
○ 並 ・・・ ソフト、並の印材、丈;1寸8分(約57㎜)
○ 上 ・・・ ハード、上の印材、丈;1寸8分(約57㎜)
○ 上上 ・・・ ハード、上上の印材、丈;1寸8分(約57㎜)
○ 特上 ・・・ ハード、上上の印材、丈;2寸1分(約63㎜) 既成品(2寸丈、約60㎜)より長いので特注で加工してもらってます。
また、印材は福岡、東京、大阪に直接仕入れに行って目のいい物をよりすぐって仕入れてきてます。 ですので、並でも中に近い物を購入したり、たまに中が混ざってるのでそれを仕入れて来てます。
下の画像で『並』と『上上』の違いが分かります。
■ 並の印材

■ 上上の印材

並は白っぽく目がハッキリわかりますが、上上はアイボリーで並より光沢があり、目が細いのが特徴です。
彫るのも上上の方が堅いので彫り辛いですね。 細い印刀で細かい所を彫っててチョッと違う方向に力を入れただけで印刀が折れたりします。
象牙は彫り栄え素晴らしいので職人冥利につきる印材でもあります。
また、古来より富の象徴、幸福の象徴とされてきてます。