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技術を磨く(仕上げ)

粗彫りを終えると、仕上げに入ります。
印面をサンドペーパーで擦って墨を打ち直して仕上げが一般的ですが、私は正確に字入れが出来ているなら印面を擦らずに仕上げに入ります。

上の画像の左の文字(守)は仕上げ前、右の文字(拙)は仕上げた文字となります。

仕上げは、ひと通り削ったら終わりでなく、ある程度、形が出来たら捺印して印影を見ながら再度、削る補刀を入れます。

印鑑の仕上げ

捺印→補刀→捺印→補刀→捺印と、字形、線が綺麗に整うまで繰り返していきます。

その際、油分が多い滲むような印泥では、補刀するにも補刀が出来ないので印泥も購入した状態でなく、しっかり油分を調整しておかないといけまえせん。

仕上げは粗彫りした文字の角を落とすような形になるので、印面と底にあたる部分では太さが異なり台形のようになります。

通称、土手と言われている部分ですが、その土手の部分は全て削り落とします。
特に今回の材料(柘植)は木材なので印面がすり減ったり、押す圧力によって土手があると文字が太くなります。

印鑑の仕上げ

彫刻機を販売している製作会社は、印鑑の素人なのであまり分かっておらず土手をつけることが仕上げと思っているのか、最後に土手になるように彫刻プログラムを組んで仕上げを掛けれますと謳っている。

多くの印鑑屋に言いたい。
仕上げ風で出来上がった印鑑の彫りカスを取るのが仕上げとは言いません。

仕上げは文字のバランス、線の太さの統一や、縦画と横画の太い細いの差をきちんと出す作業を仕上げといいます。

パソコンの文字のアウトラインを削って細くするだけを仕上げと思うのは大間違いです。

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