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作品にあった落款印を

作品に捺す落款印を刻す

字入れ

作品に捺す適切なサイズの印が無かったので作りました。
作品は文字の部分だけではありません。書の方も落款に合わせて落款印を選択される事をお勧め致します。 印泥の状態も最適な状態がどの状態なのかも作品づくりとしては大切です。

文字は宗典と入れてます。雅号なしで実名でしております。
書体は金文。中国の殷、周の頃に使われてた文字で、青銅器(銅鏡、銅の剣などなど)に刻まれた文字です。

刻す

大半は手で持ってサクサク刻していきますが、細かい部分は印床(篆刻台)に挟んで刻します。
細かいからと言って慎重にではなく、思い切って突き刺すように刀を入れます。そうする事で刀の勢いや、味が出てきます。

10mmの落款印

撃 辺

最後に枠に撃辺(枠を欠かせる)をいれます。
実用印は枠は絶対欠かせる事なく綺麗に処理しますが、篆刻は芸術性を求めるので枠を欠かせて味を出します。また撃辺を入れると言っても適当に叩いて欠かせるのではなく文字の位置によってどこを欠かせるかを計算した上で刀を入れてます。

作品に落款印を捺す

捺 印

筆で書いた落款の最後に落款印を入れます。
紙を爪の甲で平らにして、落款印を適切な位置で印矩と言われる物を当てて位置を確定。

その後、印に印泥を付けて、印矩に沿わせて捺印。
これが決まれば完成となります。

裏打ちをした作品

裏打ち

作品は完成となりますが、額に納めるのには作品をピンっと張った状態にしないといけません。その為、厚紙に作品を貼り合せます。これを裏打ちと言います。

本来の裏打ちは…

適度な硬さの水のりを作り、作品に霧吹きで水を吹きかけ、水のりを台紙となる厚紙に塗った後に作品を貼り合せます。
貼り合せたら、空気を抜くようにハケで中央から外に向けて空気を押し出します。 空気が抜けたら、ガラスや板にはり剥がれない様に上下左右だけのり付けして乾燥させます。 乾燥して剥がれてなければ完成です。
剥がれた場合は、水のりの濃度が薄い可能性があります。

最近は、3Mの77というスプレーのりを使って貼り合せてます。これなら瞬時に乾燥し接着できるのと、水を使わないので印泥や墨が滲む心配もありません。
長期間の展示品としては、粘着力がどれだけ持つか分からないのでお勧めしません。但し、額の作品とアクリル板の隙間が無いタイプなら、アクリル板が作品を抑えてるので問題ないでしょう。

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